serendipity-days

世界の片隅にひっそりと、素敵な偶然への遭遇

突発性難聴

KinKiの25周年の話題だと、どうしても剛君の突発性難聴が頭をよぎる。

最近はイヤフォンしていないので大分よくなったんだなと感じる。というのも私ももうかれこれ20年ぐらい前だろうか、左耳の低音型突発性難聴を患ったことがあるので痛いくらい分かるのだ。

 

あの時のことを今でも鮮明に思い出す。

朝起きたら突然「ウォンウォンウォンウォン」という室外機のファンの音の様な耳鳴りが頭一杯鳴っていて、耳抜きしても何をしても一向に収まらず、なんだろうこれ・・・前日花火大会で爆音聞いたからかな・・・おかしいな・・・と思いながらも、その日は友人と映画を見に行く約束だったので見に行ったが、耳鳴りの音が大きくてあまり聞こえなかったあの映画・・・何見たんだっけかな・・・それは思い出せない。

 

次の日も耳鳴りが収まらずひとまず耳鼻科へ行き左側低音障害型突発性難聴と診断。低音の聴力が一気に落ちており、低音が聞き取りづらい状態であるとのことで、ステロイドが処方された。ステロイドの副作用も生活の注意事項も何もなくただ薬の処方だけ。不安にさいなまれるも、夜、なぜか何度も何度もトイレに行くことに。利尿作用が激しい薬なのか、え・・・というぐらいトイレに行ったのを覚えている。え、まだ出るんかい・・・な・・・なんだこれ・・・不安が募る。

 

だが、すぐに耳鳴りも収まったので、治ったみたいって母に伝えたが、1週間もたたないうちに再発・・・1週間後に行った耳鼻科で、外出しちゃったの??って言われた。てか、おまNG事項言ってないやろ!!!とその後、その病院には二度と行っていない。

その後、他に治療法があるんじゃないか、診断間違っているんじゃないか、他に原因があるのではないかと病院を転々とするもどこも診断名は同じ。MRIも異常なし。ステロイドの処方であっているとのこと、薬の処方以外に治療はないとのことで、もうなすすべが無い・・・当初の耳鳴りは軽減するも耳鳴りは続いている。一体どうすれば・・・

 

自分で色々調べると突発性難聴発症後は1週間が勝負とのこと。だが仮に1週間以内に治療しても治るか治らないかは何とも言えないらしい。ただまずは1週間以内に病院へ行き、ステロイド服用、外出禁止・・・というのも一気に聴力が下がったので、生活音ですら耳に悪いから、まず耳を休ませる必要があり、おとなしく静養する以外に成すすべ無しとのことだった。処置方法は外れてはいようだが、何せ頭の中で鳴り響いているのでとにかく治れー--!当時はそれしかなかった。

 

1回目のひどい耳鳴りは大分収まったものの、耳鳴りは残り、とにかく肩こりがひどくなり、のどがつかえる感じがしてうまく物が呑み込めない。ステロイドの副反応で背中一面ニキビようのな吹き出物。わかるぐらいの激やせ。少しの振動でも物を伝って伝わる過敏状態の不快感。音が耳に頭に突き刺さり怖い。もうこの下界では生きていけないのではないか・・・会社も辞める必要あるかもしれない、どうやって生きていけば良いんだろう・・・自販機の振動が机を伝ってくるなんて・・・電車も音が大きすぎるなんて・・・そんな状態がしばらく続いた。

 

それでも生活していかなければならないので、電車に乗るときは耳栓。肩回りの血行促進に水泳などの運動。肩回りを良く動かしたときは耳鳴りが軽減するのが分かった。

不快感が続き何とか改善したくて探しに探し鍼灸と漢方にたどり着く。結局3年ほど高いお金を払い得られた結果は、当時の耳鳴りはなくなったものの、いまだに頭鳴りと軽度の耳鳴りが残っている。あの時鍼灸と漢方に巡り合わなかったらどうなっていたか・・・完治はしなくても軽減しただけましといったところだろう。

 

聴力が低下したので爆音禁止だったが、実はその年にどうしても行きたいライブがあり、最初の1-2曲だけ聞いて帰ろうと思い耳栓持参で参戦。結局耳栓を奥に奥にと詰めに詰めて爆音避けて最後まで居たっけな・・・あの当時はもう耳がどうなってもいいや!って気持ちも少しあった。それだけそのライブ行きたかったんだよね。

 

生活面でも爆音が怖く、電車の音ってこんなに大きかったっけか・・・と改めて生活音がなんと多いことかと感じたのを覚えている。それでも生活していかないといけないので耳に負担のある爆音を避けるべく、調べに調べてドラムとかギターやっている人が使っているという耳栓を買い、音が大きいと感じる場合は常に装着できるようにしていた。今も常に持ち歩いておりある意味今ではお守り替わりだ。だがこれが無いと大きな音が怖い。当時のごとく音が頭に耳に突き刺さる感覚は無くなったが、いまだ赤ん坊のギャン泣きなどは恐怖以外の何物でもないし、映画館とか大きな音がするときは少々どぎまぎしているし、ライブは絶対耳栓が必需品。これだけは残念である。あの爆音を感じながらの生ライブが醍醐味なのにな・・・と少し悲しい。

 

もう20年も経つと耳鳴りも生活の一部。

困ることといえばうるさい席での飲み会や、買い物先、複数人がしゃべっている場所では人の声が聞き取りづらく、聞こえているふりをしている事ぐらいだろうか。大勢の時はしょうがないよねと割り切っているし半場あきらめムードだ。耳が悪いのは悲しいかな外見からだとわからないのが難点なのだ。なので隠す必要もないしいざ周りの人がなった時にも助言ができるよう、普段から患ったことがあることを公言している。

 

もう耳鳴りや頭鳴りの無かった頃の耳の状態がどんなだっかは覚えていない。

夏のように虫の音や風の音がダイレクトに聞こえるときは全くと言っていいほど耳鳴りは気にならないが、冬など静まり返っているときは特にわかるし、耳をふさぐと聞こえるのは結局耳鳴り・・・無かった頃ってどんなだっけかなぁ~なんてたまに感傷に浸ること今でもある。

 

共存はしたくなかった。完治したかった。母の心配事がそれ以来増え過保護になったのも覚えている。その日以来私は積極的な行動が無くなった。それでももう治らないと思っているので、とにかくも何十年経とうとも再発がないことを祈るしかない。母が生前この子耳悪くなってから消極的になってねって話したことを覚えている。未だに心配しているんだろうな・・・。

 

現在、突発性難聴の原因はストレスの一言で済まされている。が、当時の私には何のストレスもなかったのだ。だから簡単にストレスが原因と言わないでほしい。ストレスが原因の人もいるだろうが私は違う。何かしらの原因があるはずなのだが未だ詳しい解明がなされていないとのこと。いつかこの薬を1つ飲めば耳鳴りは収まるという未来が来ることを願いたい・・・

 

最近では特に音楽業界の人の突発性難聴が後を絶たない。

思うに今まで聞いていた爆音や、ある時の爆音が突然トリガーになったりしているのではないだろうか。そのトリガーが発動したためその後にストレスが付与され、結果的に原因は後付けの「ストレス」と言われている所以だと思っている。どんなに同じ食生活を送っていても、結局なる人はなるしならない人はならない。神様なんていない。不公平にできている。

 

私はまだいい方だ。耳鳴りは少し残っているが聴力は戻っているし逆にいいらしい。生活面でも困ることはほとんどない。だけど、あの時・・・といつも思いがあの時に逆戻りする・・・あの時何を回避していたら避けられたのだろうか・・・

 

突発性難聴になったってしまったらやること↓

すぐ病院へ行く

ステロイド処方

1週間耳を休ませる

両肩動かしとにかく肩から首周りの血行を促進させる

ステロイドは限度があるので落ち着いたら鍼灸治療がベスト